地球上の面積の3割を占める陸の豊かさは、人の住む場所になったり、食料や飲み水をもたらし、農業や林業など仕事の場にもなって、私たちにさまざまな恩恵を与えてくれているね。
地球環境にとって、森林の果たす役割は特に重要なんだね。
森林は光合成によって二酸化炭素を吸収して酸素を生み出し、雨水を集めてろ過し川に流しているよ。植物の根や落ち葉は栄養に富んだ土地を保つ役割も持っているんだ。
でも、自然環境が破壊されているって聞いたよ…
そうなんだ。世界で毎年約1,300万ヘクタール、東京都の約60個分にもなる森林が失われているんだ。木材やパルプ材にするため、それから放牧地や畑として使うために森林を伐採しすぎることが大きな要因の1つだよ。
住む場所がなくなって、野生生物も絶滅の危機にあるんだよね・・・
現在、世界の人口の約25%にあたる約16億人の人々が、木材、食料、燃料、飼料など森林にまつわる資源に頼って生活しているけれど、最近の急速な森林破壊によって、貧しい人々を中心に仕事を失い生活に困る人が増えているんだ。地球上のすべての生態系のことを考え、自分たちの生活も安定させるために国単位、そして個人の単位でも省エネルギーに積極的に取り組み、リサイクルなど資源を使いすぎない工夫をして、森林や動植物を保護する取り組みを続けていくこと。それがこの「陸の豊かさも守ろう」ということなんだよ。
みんなが今使っている、教科書やノート、えんぴつも木から生まれているんだ。
・むだ使いしない
・最後まで使い切る
そういった行動が、大切な資源である木を守ることにつながるんだ。
日本は国土のおよそ3分の2が森林である森林国ですが、林業による雇用や経済の活性化は伸び悩んでおり、その森林資源をうまく活用しきれていません。また、外来生物や気候変動の影響により、生態系の多様性は減少傾向にあります。
こうした課題を解決するため、日本の企業もさまざまな取り組みを行っています。たとえば、自社の林業において持続可能な森林経営を続けるとともに、自治体や森林組合に森林管理や森林再生のノウハウを共有する企業があります。また、自然災害によって崩落した斜面に、その地域に自生する植物の種を植えて、地域本来の自然を再生する試みを続けている企業もあります。
森林破壊をくい止めるためには、消費者である私たちも、原産地の環境や社会問題に関心を持って商品を選ぶ姿勢が求められます。持続可能な森林管理がされた木材であることを証明する「FSC認証」、持続可能なパーム油生産であることを証明する「PSPO認証」、持続可能な農法で栽培されたコーヒー・カカオ・茶であることを証明する「グッドインサイドマーク」など、さまざまな認証ロゴやマークのついた製品があります。生活に必要なものを買うとき、それがどこでどのように作られたのか考えてみることも大切です。
世界の企業でも、さまざまな取り組みが行われています。森林を保護しながら生産性も向上できるよう、コーヒーの原産国で生産管理や流通の技術指導を行っている企業や、スリランカの紅茶農園で、社会、環境、経済のすべての面で持続可能であることを証明する認証を取得するための支援を続けている企業もあります。
それぞれの目標には、その内容をより細かく示したターゲットが7項目設定されているよ。
詳しくはを見てみてね!
15.1 2020年までに、国際協定の下での義務に則って、森林、湿地、山地及び乾燥地をはじめとする陸域生態系と内陸淡水生態系及びそれらのサービスの保全、回復及び持続可能な利用を確保する。
15.2 2020年までに、あらゆる種類の森林の持続可能な経営の実施を促進し、森林減少を阻止し、劣化した森林を回復し、世界全体で新規植林及び再植林を大幅に増加させる。
15.3 2030年までに、砂漠化に対処し、砂漠化、干ばつ及び洪水の影響を受けた土地などの劣化した土地と土壌を回復し、土地劣化に荷担しない世界の達成に尽力する。
15.4 2030年までに持続可能な開発に不可欠な便益をもたらす山地生態系の能力を強化するため、生物多様性を含む山地生態系の保全を確実に行う。
15.5 自然生息地の劣化を抑制し、生物多様性の損失を阻止し、2020年までに絶滅危惧種を保護し、また絶滅防止するための緊急かつ意味のある対策を講じる。
15.6 国際合意に基づき、遺伝資源の利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分を推進するとともに、遺伝資源への適切なアクセスを推進する。
15.7 保護の対象となっている動植物種の密猟及び違法取引を撲滅するための緊急対策を講じるとともに、違法な野生生物製品の需要と供給の両面に対処する。
15.8 2020年までに、外来種の侵入を防止するとともに、これらの種による陸域・海洋生態系への影響を大幅に減少させるための対策を導入し、さらに優先種の駆除または根絶を行う。
15.9 2020年までに、生態系と生物多様性の価値を、国や地方の計画策定、開発プロセス及び貧困削減のための戦略及び会計に組み込む。
15.a 生物多様性と生態系の保全と持続的な利用のために、あらゆる資金源からの資金の動員及び大幅な増額を行う。
15.b 保全や再植林を含む持続可能な森林経営を推進するため、あらゆるレベルのあらゆる供給源から、持続可能な森林経営のための資金の調達と開発途上国への十分なインセンティブ付与のための相当量の資源を動員する。
15.c 持続的な生計機会を追求するために地域コミュニティの能力向上を図る等、保護種の密猟及び違法な取引に対処するための努力に対する世界的な支援を強化する。
目標は全部で17個!
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