この目標のキーワードになるのが「ディーセント・ワーク」という言葉だよ。これは、「働きがいのある人間らしい雇用」という意味を持っているんだ。
ただ働いていればいい、ということではなく、長時間働かされたり、仕事に見合った収入を得ることができるというのが大事なんだね。
新型コロナウィルスなどの影響で、世界じゅうの経済が不安定になった結果失業率は増えてしまっている。安定した収入を得られない人や、本当は勉強を頑張っているはずの年齢の小さなこどもたちが働かないといけない状況も多くあるなど、問題はさまざまだよ。
ブラック企業とか過労死のような、働きがいとは正反対の内容の言葉もよくきくよね。
そういった問題を解決して、すべての人が幸せに働ける社会をつくりながら、同時に経済も成長させていこうというのがこの「働きがいも経済成長も」ということなんだ。
新型コロナウィルスの影響で、お父さんやお母さんがリモートワークをしていたり、WEB会議をしていなかったかな?働き方を見直すきっかけになった人たちもいたんだ。みんなのお父さんやお母さんは、どんな働き方をしているか聞いてみよう。
長時間労働が原因で心身の健康を損なう人が多いことや、仕事と子育て・介護などの両立が難しいことなど、日本でも雇用にはさまざまな課題が残されています。また、若年層を中心に非正規雇用の割合が高まっており、その不安定な雇用形態や賃金の低さなどが問題視されています。さらに、男女の労働市場参加率は2017年時点で21%ポイントもの差があり、雇用における男女格差がいまだ残っているのです。そうした課題に対し、日本の企業もさまざまな取り組みを行っています。具体的には、従業員の目標設定と実際の成果を元に公正な評価を心がけたり、子育て・介護との両立などができるようリモートワークや自由度の高い勤務時間を導入したり、女性管理職を積極的に登用したり、年間の総労働時間の目標を設定したりという取り組みが行われています。
開発途上地域で十分な雇用を確保するためには、まず道路や上下水道、発電所、通信網などのインフラ整備を行い、経済的な発展を後押しする必要があります。このため、各国政府や企業・団体が、資金援助や技術提供を行っています。
途上国に対して、自社の技術やノウハウを海外のプラント設備の技術者に伝える研修を実施したり、海外に直接エンジニアリング会社を設立して現地での雇用を増やしたり、児童労働の多い葉たばこの耕作コミュニティーに直接投資したり、といった取り組みを行う企業も増えています。